先に赦す

稽古を通じて、

特に二人以上での稽古である、

組み手を通じて学ぶことに

赦すか? 赦さないか?

というところがあります

そして、稽古においての実践は「赦す」一択です。

二人での型稽古で、

相手が自分の意図しないことをした時に

不機嫌になって

強く相手を訂正しようとする人がいますが、

武道の稽古でそれをしてはいけないと思います。

「相手がそう動いたのは、自分がそうしたから。」

ということが基本で、

結局は「心の顕現」だからです。

だから、赦すことだけが重要になります。

ところで組み手において

「相手がそう動いたのは、自分がそうしたから。」ではあるんですが、

組手の前に、向かい合った時に相手の存在を赦していたら、

相手の失敗なんて気になりません。

だから、先に赦すことが大事です。

いえ、それよりも前、道場に入った時に

赦せていたら稽古全体が楽しくなるでしょうし、

それよりも前、家を出る時に赦せていたら、

道場に行くこと自体が楽しくなって、 組み手での些細なことは気にならないでしょう。

さらに朝起きる時に、さらに夜寝る前に、さらに前、さらに前・・・

こうやって「先に赦す」ことを日常にして、

「すでに赦している」ことを日常にして、

日々を楽しくしてゆくのが、

組み手の稽古からの学びの一つじゃないかと思います。

世界中が、そういうふうになったら良いなと思います。